岩手県奥州市の水沢駅近くの国道沿いに、俺の勤務しているちょっと小洒落たジムがある。
その日の平日夜は、仕事帰りの人でそこそこにぎわっていた。
俺は契約制のパーソナルトレーナーをしている。
週5でトレーニングしてるおかげで、身体はかなり仕上がってる。無駄な脂肪はゼロ。胸筋も広背筋も腹直筋も、鏡の前でどこを切っても絵になるレベルだ。
ただ俺は感情を表に出さない。笑顔も相槌も、全部“接客”。女に優しくするときもあるが、それは相手が払う金と釣り合うサービスでしかない。
あの日、最終枠に予約が入っていたのが浅倉美月――36歳の人妻。子供なし。職業は歯科衛生士。名前とは裏腹に、Tシャツから浮き上がるGカップの胸と、ぴったりしたスラックスに包まれた肉厚なヒップが、やけにエロかった。
「よろしくお願いしますね」
「はい。今日は下半身中心でいきましょうか」
目元の皺と、爪の手入れ。すべてが、品がありながらも“女”を感じさせた。
トレーニング中、鏡越しに美月の視線が何度もこちらをチラ見してくる。
フォーム指導で近づいたとき、彼女の指が何気なく俺の前腕をなぞるのもわかった。
「……硬いんですね」
「まあ、それなりに鍛えてるので」
こういう反応は慣れている。だから、あえて流す。女は「見られてない」と思った瞬間、一気に調子に乗るからだ。
通い始めて3週間、雨上がりの夕方。水沢駅前の地下道で偶然出くわした。
「傘持ってないんですか?」
「うん。濡れてもいいやって思って」
「よかったら少し話しません? ……あっちで」
駅から徒歩5分。ビジネスホテルの入り口を指差すと、彼女はわずかに肩を震わせて頷いた。
部屋に入ると、美月は無言でシャワーに向かう。
そのあいだ、俺はゆっくり服を脱いでバスタオルを腰に巻いたまま、鏡の前に立った。
肩から腕、腹筋、太腿にかけて、血管が浮かぶほどの筋肉美。無表情のまま、軽く腹に力を入れて確認する。
「……ごめんなさい、お待たせ……」
シャワー上がりの美月が、バスタオルを巻いただけの姿で出てきた。
その視線が、俺の胸と腹に釘付けになる。
「……すごい。ほんとに……ジムで見てたより……もっと……」
「触ります?」
彼女は遠慮がちに、俺の胸筋に指先を添えた。
「かたい……あ、でも温かい……」
指でなぞる動きが、明らかにゆっくりになっていく。そのまま無言で、彼女の腰を後ろから抱きしめた。
「……ほんとに、するんだね」
「やめたければ、帰っていいですよ」
「やだ。行かない……」
唇を奪うと、美月は驚いたように一瞬震え、すぐに舌を差し出してきた。
「んっ、ふぅ……ちゅっ……」
ベッドに押し倒し、尻の肉を揉みしだく。タオル越しに感じる厚みはたまらなかった。
そのまま、ゆっくり脚を開かせて、あそこに顔をうずめる。
「やっ、そんな……っ」
「声我慢できないなら、口塞ぎますけど」
クリに舌を這わせると「くちゅっ」といやらしい音がした。
両足を押し広げ、舌先でじっくり責める。
「ふあっ……やだ、そんなとこ舐めないで……っ」
「でも、すごい味出してる」
クリトリスを吸うと、美月の腰がびくびく跳ねた。
「だ、だめ……もうイキそう……」
すぐにコンドームをつけて、美月の太ももを抱えて突き入れる。
「んんっ……あ、ああっ……っ」
ぬるんと奥まで入る。膣内がじわじわと収縮してきて、チンポの根元にまとわりつく。
「やば……この締まり、反則だな」
「ちがう……わたし、こんな……っ」
腰を打ちつけるたび、ぱんっ、ぱんっと尻の肉が跳ね返る。Gカップの胸がベッドの上で波打っていた。
「……旦那は、こんな奥まで突いてくれないの?」
「言わないで……そんなの……っ」
正直、この時点でこっちは限界ギリギリだった。けど、我慢する。俺の精液は濃くて粘りがある。1回目は、まだ外に出すべきじゃない。
「い、いっちゃう……っ、もう、無理っ……!」
全身を仰け反らせながら、美月が絶頂した。膣がギュッと締まり、コンドーム越しでもわかる痙攣が伝わってくる。
「はぁ……なんで……こんな、あなたに……っ」
ベッドにへたり込んだ彼女の横顔は、快楽の余韻に溺れていた。
水沢の街は、夜になると一気に静まり返る。コンビニの灯りもまばらで、ジムの窓に映る街灯の反射がゆらゆらと揺れていた。
あの夜以来、美月は何もなかったようにジムに戻ってきた。髪型も変わらず、笑顔も同じ。でも、俺にはわかった。
目が変わっていたんだ。
セッション中、俺の指導が少し厳しくなると、少し嬉しそうな顔をする。補助で背中に触れると、わずかに呼吸が乱れる。
完全に“俺の身体”に取り憑かれていた。
「この前の……大丈夫だったんですか、旦那さん」
「うん。出張から帰ってきてたけど、何も聞かれなかった」
「そっか」
会話はそれだけ。でも、それで十分だった。俺たちの関係は、もう“共犯者”に近い。
セッション後、美月がシャワールームに向かう前にふと言った。
「……久しぶりに、あなたの体……見たくなっちゃった」
その言葉に、俺は財布の中から、ビジネスホテルのカードキーを見せた。
「もう取ってある」
彼女の表情がピクリと動いたあと、小さく笑った。
そのまま車でホテルへ向かう道中、国道397号線沿いの田んぼを横切るとき、美月がぽつりと呟いた。
「……この景色、すごく静か。悪いことをしてる気持ちとか、どこかに飛んでく気がする」
助手席のその横顔が、完全に“人妻の顔”じゃなかった。
部屋に着くと、シャワーを浴びたあと、美月はバスタオルのままベッドに腰をかけていた。
俺が上半身裸で出てくると、彼女は思わず小さく息を呑んだ。
「やっぱり……すごい。肩も腕も、全部……彫刻みたい」
「近くで見る?」
「うん……」
触れる指先が、今まで以上に慎重だった。大胸筋から腹筋、そして僧帽筋にまで、まるで舌でなぞるように指が這う。
「なんでこんなに……キレイな身体してるの……?」
「女に触られるためじゃない。でも、触りたくなるようには作ってる」
ベッドに押し倒し、首筋にキスを落とす。
「今日は、ゴムなしでいいですか」
「え……それって……」
「嫌なら断って」
「……やだ、断れない……」
その瞬間、美月の目に宿っていたのは、完全な“メス”の色だった。
唇を塞ぎながら、乳首をつまみ、左手で下着をずらす。
「もう、ぐちょぐちょじゃん」
「んんっ……し、知らないよぉ……っ」
脚を開かせると、ピンク色の肉がぬめぬめと光っていた。そこへ指を這わせるとぬちゅっと湿った音が弾ける。
俺はそのまま彼女を四つん這いにさせて、尻をぐいっと突き上げた。
「ベッドにつかまって。腰は、こう」
「やっ……その体勢……すっごい恥ずかしい……」
「でも、お前、こうされるの待ってたろ?」
むっちりとしたヒップを両手で掴んで、膣の入口に先端を当てる。
ゆっくり腰を押し出すと、ずぷっ……ずぶっ……という重たい音と一緒に、ぐちぐちと奥へめり込んでいく。
「ひあぁぁっ!! な、なんか……ちがう……!さっきより、熱いっ……!」
「生だから当たり前じゃん。お前の子宮に直に届いてるだろ?」
腰を打ちつけるたびに、尻の肉がぱんっ!ぱんっ!と跳ねる。ベッドのスプリングがギシギシと鳴り、壁に体がぶつかる音が響いた。
「これが欲しかったんだろ、美月」
「っ、う、うんっ……!」
「俺のチンポで、壊してほしかったんだろ!」
「ちが……う、ちがうけどぉ……っ! でも、でもっ……もう戻れないぃ……っ」
俺は後ろから彼女の髪を掴み、耳元に口を寄せる。
「旦那のチンポと、どっちが気持ちいい?」
「……そんなのっ……あんたに決まってるぅ……!」
尻を打つと「んあぁっ!」と甲高い声が漏れ、同時に中がひくひくと締まりだした。
「イキそうか?」
「うん、だめっ、だめっ、イク、イクぅっ……ああああぁぁっ!!」
一気に突き上げながら、射精のタイミングを合わせる。
「中に出すぞ」
「出して……欲しい、欲しい……っ!!」
ぐぷっ、と奥を突き破るように挿し込んだ瞬間、熱く粘る精液がどろっ、と一気に流し込まれた。
「んんんっっ!!!」
彼女の膣がきゅうっと収縮し、完全に俺の肉棒を根元まで締めつけてくる。
抜くと、精液がとろりと垂れ落ちた。白濁が美月の太腿を伝って、ベッドシーツにぽたぽたと落ちていく。
「こんな……こんな……」
シーツに顔を埋めながら、泣きそうに笑っていた。
「旦那には……もう、無理だよ……」
あのホテルの夜から数週間。美月は以前よりもさらにジムに通ってくるようになった。最初は週1だったのが、今では週3。セッションが終わってもすぐには帰らず、俺が片付けをしているあいだもベンチに座ってこちらを見ている。
「……今日も、腕、すごいですね」
「いつも通りですよ」
「ううん、違う……なんか、もっと、逞しくなってる」
美月は、もう隠そうとしなくなった。
他の会員がいなくなる時間帯を狙って予約を入れる。スタッフも掃除に出ていく時間帯。完全に二人きりになったとき、彼女は俺に背中から抱きついてきた。
「ねぇ……ちょっとだけ……いい?」
振り向く前に、シャツの裾が持ち上げられた。むき出しの腹筋に、温かい舌先が触れる。
「んっ……ここ、好き……」
美月は俺の腹筋を一筋ずつ舐めながら、うっとりした目をしている。
歯科衛生士らしい整った爪が、胸筋から腹筋へと滑り降りる。
「……ジムでこんなことして、どうするんですか」
「だって……我慢できないの。あなたの身体、見るだけで……」
誰かが来るかもしれないというスリルが、彼女をさらに熱くしていた。俺の股間はすでに膨れ上がり、スウェットの上からでも形がわかるほどだ。
「……触ってもいい?」
「好きにしろ」
美月は膝をつき、スウェットの中に手を差し込んだ。硬さを確かめるように握り、ゆっくりと引き出す。露わになったソレを、目を細めて見上げた。
「……やっぱり、すごい……匂いまで好き……」
次の瞬間、彼女はためらわず咥えた。
「じゅるっ……ちゅっ、んぐっ……」
舌が裏筋をなぞり、唇が根元まで飲み込む。ジムの更衣室に、いやらしい水音が響く。
「誰か来るかもしれませんよ」
「んんっ……んくっ……でも……やめられない……」
俺は片手で美月の髪を掴み、ゆっくりと腰を動かした。
「ほら、もっと喉奥まで」
「んぐっ……んんんっ……!」
喉の奥に当たるたび、美月の目が潤んでいく。だが、その表情は苦しさよりも恍惚だった。
「美月、もう完全に俺の身体に依存してるな」
「……うん……他の人じゃ、もう無理……」
吐息混じりにそう呟き、さらに強く吸い込んでくる。
「もう出る。飲め」
「んんっ……っ」
びゅるっ、びゅるるっ――濃い精液を喉奥に吐き出すと、美月は一瞬むせそうになりながらも、こくりと飲み込んだ。口元から白濁が一筋垂れ、慌てて指で拭う。
「……おいしい、なんて言えないけど……身体が、喜んでる」
その言葉が、俺の背筋をゾクッとさせた。
それからの日々、俺たちは表ではトレーナーと客の関係を演じ、裏では肉体と快楽で結びつくようになった。
美月はもう完全に“俺の筋肉”と“俺のチンポ”に囚われている。LINEも「次はいつ会える?」というメッセージで埋まっていった。
ある夜、俺はスマホのアルバムを整理しながら、ふと気づいた。
トレーニング終わりに更衣室で俺の腹筋を舐める美月の姿、ホテルのシーツで立ちバックされてイっている顔――ほんの数枚、証拠のように残っていた。
消そうか、取っておこうか。
指が止まったまま、画面に映る美月のとろけた顔を見て、俺は静かに笑った。